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2010.10.10

入院中、病棟内に独りの翁がいた。 80歳を越えている静かな長老である。 日曜日の日には、その娘さんと息子さんが面会に見えて、医師の言う手術を勧めていた。 翁はその娘さん達に、「儂はもう80も過ぎた。 もうこの世に何の未練もないんじゃ。 痛い手術を受けて、これ以上生きていたいとは、全然思っていない。 前回受けた大腸ガンの手術、あのときの痛さ、苦しさを考えれば、もう一度また手術を受ける気には到底なれない。 本当はもう死んでもいいのだ。 ・・・」と本音を述べて、娘さん達を困らせていた。

医師や、看護師さん達が、 手術の予定などについて、話しに来ても、翁の言葉は、いつも同じであった。 それ以後、家族の人は面会にも説得にも見えなくなった。 翁の気持ちが理解できるだけに、かける言葉が見つからないのだろう。 翁は一人の優しい看護師さんとは話をしていたが、翁の言葉はいつも同じだった。 翁は孤独であった。 他人と目も合わせなくなった。 何故かしらいつも歯ブラシを片手に持って、廊下の椅子に一人座っていた。 

私はその翁より先に退院したので、その翁がその後、どうされたのかは知らない。 こんな事情のあるとき、家族や、医師や、看護師さん達は、本当に困ってしまう問題であろう。

こんなとき、日本尊厳死協会の記事を見た。 以下に原文のまま掲載する。 

リビング・ウイル

日本尊厳死協会の会報No.139(今年10月報)の記事は、オランダでの安楽死について報じている。 
「オランダ安楽死審査委員会は2009年の年次報告を発表、安楽死法に基づく死亡者は2636人で前年より305人(13%増)多かった。
内訳は、医師の措置で死なせる「安楽死」が、2443人(93%)とほとんどで、「自殺幇助」156人(6%)、その他37人だった。 安楽死に関わった医師では患者の「かかりつけ医」が89%を、亡くなった場所では「自宅」が80%を占めていた。」

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