« April 2004 | Main | July 2004 »

2004.05.14

四国の山と海

p5.jpg


例によっての安旅行ではあるが、始めて四国カルスト、滑床を訪ねた。行きは大阪南港からオレンジ8号の特別船室に入り、ちょっと豪勢な気分を味わいながら、四国、新居浜に着き、そこからバス旅行となった。

前日までの雨がすっかり晴れ上がり、眩しいような陽光の中、四国路を走った。四国では、その麦秋の風景が懐かしかった。麦秋と隣り合わせで、水田に水が入り、既に田植えの始まっているところも見られる。この風景、私の、幼い頃の修学院の風景そのものである。懐旧の念を禁じ得なかった。

既に深緑に輝く街路樹の並木道から、バスが次第に高度を上げて行くに連れて、周りの緑が新緑に変わる。その新緑が眩しいように輝く中、バスは、高知県と愛媛県にまたがり、四国山脈の頂上付近に展開している天狗高原、四国カルストに到着した。この時、まさに、空には雲一つなく、碧空の下、累々として四国の山並みが、重畳して連なっている風景に、まず私は感動したのだった。カルストの規模は、かの秋吉台ほどではないにしても、標高1300メートルの、天狗山頂へと広く大きく展がっている。食事後、私たちは、待ちかねたように、このカルスト台地の散歩を楽しだ。

p0.jpg

p1.jpg

p2.jpg

写真を撮る人、スケッチする人、それぞれに、今のこの時を、体いっぱい、心いっぱいに満喫している。台地の頂上には、展望台があり、ここからは、360度の展望が楽しめる。南側の山並み、まるで、東山魁偉の世界だ。北側には、遙かに遠く石鎚山が、そして瀬戸内海が見渡せた。カルストの石灰岩群が作り出している、この独特の雰囲気がまた好い。幸せな時間であった。

この雰囲気を惜しみつつ、バスはここを離れてから、次に、渓谷美の滑床へと走った。滑床渓谷の風情は、島根県の渓谷、断魚渓を思い出させた。バスを降りてから最初に目に飛び込んできた楓の新緑、蛍光に映えたような、その輝きが何とも印象的だった。この輝きは、嘗て、島根大学の学生達と登った、朝日山で見たものと同じだったのである。
滑床渓谷は、昨日まで降っていた五月雨を集めて、その渓谷の流れは激しく、美しかった。渓谷に沿っての散歩道を登っていく。奇岩があり、激流があり、大斜面に広がった速い流れがある。写真を撮りながらこの雰囲気を満喫した。ガイドさんの話では、常日頃は、この辺り、猿が出てきて、ワルサをすると云うことだったが、幸か不幸か、この日猿は一匹も出てこなかった。

p3.jpg

p8.jpg


この後、バスは足摺に向かい、この夜は、足摺サニーサイドホテルに宿泊した。
翌日、早朝、ホテルの庭を歩いた。この辺り、ウグイスが多く、それぞれに、「モウー起キヨ」と囀っていた。庭の道は、森を抜けて、太平洋の絶壁の上へと続いていた。絶壁の上で、私は蛮声を張り上げ、山岡鉄舟作 「金剛山」を朗詠した。
 
         「一遍の赤心報国の情 
         千秋の節義今に至るまで清し
         金剛山下弧城の畔
         挫き得たり虎狼百万の兵」

実に気持ちよかった。

この朝、足摺灯台の展望路を歩いた。ジョン万次郎の銅像、右手に三角定規を持っている。日本では、こんな銅像は他にはないだろう。
太平洋に向かっての足摺灯台、この日の太陽に映えて、その白亜が美しかった。

p6.jpg


四国三十八番の札所、福金剛寺に詣で、念願の朱印をもらい、弘法さんに御挨拶し、気分まで晴れやかになった。この後、バスは竜串の海底館に向かった。が、この日、海中視界が4メートルと言うことだったので、海底館には入らず、海岸を散歩した。散歩道もよく整備されていて、そぞろ歩きには格好である。大きな、しかも奇岩が多く、それぞれに名前が付けてある。夫婦岩があり、鯨の昼寝と言うのもある。
その巨岩の中に自然が創りだしたにしては、実に素晴らしい文様の岩があり、その美しさに思わず唸ってしまった。

p4.jpg

また、途次、弘法大師さんが訪れたという場所があり、説明板と同行二人の石碑があって、写真が撮れるように整備されていた。早速に私も記念撮影した。

p7.jpg

実際、この度のバス旅行でも、遠い道のりを遍路されている、お遍路さんの姿をよく見かけたものだった。その姿に何かしら憧憬を感じた。
バスはこの後、四万十川畔に至り、皆で遊覧船に乗り、昼餉となった。
その両岸はもう5年も前になるか、四万十川ツーデーマーチで、歩いた思い出の道である。あのころ、2日間で、四万十川の上流下流合わせて50キロを歩いたものだった。
この後バスはハイウエイを走りに走り、坂出からJRに乗り、京都へと帰り着いたのだった。

p10.jpg

この度の旅、何よりも天候に恵まれて 素晴らしい思い出の旅となった。

                        (2004.05.14)

追記 四万十ウオークメモ より

四万十川ウオーク
4月の3,4日と、四国は四万十川の上流、下流、リバーサイド フルウオークを、完歩してきた。2日間で50キロを完歩出来た。嬉しかった。

   四万十の フルウオークや 初つばめ   英夫

高知、中村市といえども、朝晩は結構寒いくらいだったが、お蔭で快晴に恵まれ、吹き来る風は、ウオーカーには涼しくて心地よく、四万十の清流と、その河辺に咲く満開の桜、菜の花畑、そして新緑の道を、全国の同好の友と、人生を語り合いながら、完歩したのだった。念願だった沈下橋を二つも渡り、その清流のそばに座して昼餉を楽しみ、また、四万十川の河口、「鯨の見える岡」公園より大太平洋を眼下に望みながら、用意されていた弁当を美味しく戴いたのだった。
四国の、いや今や、日本の残された清流の佳姿を、心ゆくまでエンジョイし、感激した2日間だった。

 フルウオークへの参加者は北海道からの同好者を加えて、延べ2000人、地元中村市の人達の、温かい配慮のお陰で、素晴らしい2日間であった。中村市の皆さん、そして、同好の皆さん、素晴らしい思い出を、有難うございました。
shiman-full.jpg

shiman-waik.jpg

shiman-ochi.jpg

               (1999.4.2~4.5)


| | Comments (3) | TrackBack (0)

« April 2004 | Main | July 2004 »